Lily memo %



16 ケダモノミチ(木田深香編)


夏休み、だからか?




次の日学校に来ても変な目で見られることはなかった。
あの性格だ。
すぐに何かしら言いふらして尾ひれ背ひれついているところだと思ってたけど。

まぁ、襲ったのはあっちだ。

それにトマ子を私のものだと言いふらしたなら誰も得しない。
トマ子のファンによって多少私に強い当たりがあるとは思うけどそれ以上は何もない。

「ただこれで終わるとは思えないなぁ」

やれやれ。
敵はもっぱら相田と寛子だけかと思っていたんだけど、木田深香め。
顔を見られたのは失敗だったなぁ。
私という人間はどうもついカッとなって思いつきで行動する部分が多い。
ガラリとドアを開けると、やっぱりというかなんというか明日香が必死に勉強をしていた。

「あ、おはよう、ジョウ」
「昨日はよくも先に帰ったな」
「……あ、あは」

よく笑えるもんだ。
けれどお仕置きをしてやるほど元気でもない。
大人しく宿題をしていてもらおう。

「ねぇ、ジョウ」
「宿題しろ」
「ひどい!せめて話だけでも聞こうよ!」

なんだよ、こっちは寝ようとしているのに。
しょうがなく倒した体を起こすと、明日香は宿題をやめてこっちを見ていた。

「ジョウは宿題終わったの?」
「写すだけなら1日あれば終わるんだよ」
「……」

なんだその目は。
まともに宿題やってる人間なんてほとんどいないっての。

「ジョウは自分が真っ当な人間じゃないって思ってるんだね」

そんな悲しい目で人を見るなよ。
知ってんだよ、そんなことは。
なんだっていうんだ今更。
ちょっとイライラしてきた。

「じゃあ、あんたは常日頃から『私は人間だ』って思いながらすごしてるわけ?」
「そ、そうじゃないけど……」
「倫理は持ち合わせてる。問題ある?」
「……悪いってわかってるんだ」

他人にとって悪でも、自分にとって自分が正義という場合もある。
でも今の私は誰から見ても自分から見ても悪だ。
それがやらない理由にはならない。

「意味がないと思わない?」
「思ってる」
「それでも続けるんだね……」
「やめてほしい、って顔だな」
「やめてほしいよ」

なにそれ。
明日香にそう思われる意味がわからない。




「後悔、するよ」




だから。

「イラっとするな」
「ひぅっ!?」

後悔、悪い、真っ当、人間。
明日香の襟を掴んで立ち上がらせる。
強引に口付けると必死に抵抗を始めた。

「むぐぅっ、ぷはっ、話、ちゃんと最後まで聞こうよ!」
「嫌だ」

吐き捨てると泣きそうな顔をした。
耳を塞ぐように体をぴったりとくっつけてマットに押し倒す。

「もう、こういうのやめようよ!」
「やめようとかじゃなくてさぁ……」

明日香の顔を片手で固定して、もう片方の手で携帯を見せ付ける。
あられもない自分の写真にぎゅっと目を瞑った。




「脅されてんの、自覚しなよ」




やめようとか、話聞こうとか、言える立場じゃないんだって。
甘やかしすぎたかな。
もっと痛めつけなきゃ。

「……どうしたら……」

明日香は写真から目を逸らして私を見た。

「どうしたら……満足するの?」

満足。
なるほど、復讐より他に何か見つけてくれたら解放されるのではないかと考えたらしい。

「満足させてくれるわけ?」

自分でもわかるくらい悪い顔をしている。
口角がひん曲がって明日には筋肉痛で痙攣しそうだ。

「そしたら、復讐とか、こういうこととか、しなくなる、よね」

怯えながら何言ってるんだか。



「いいよ。遊ぼっか」



少し体を離して服を脱ぐ。
すぐに明日香の服も剥いで下着まで一気に脱がす。

「う……」

いつまで立っても体を晒すことに慣れないらしく、顔を逸らして足を閉じる。

「……エッチなこと、好きじゃないくせに」
「そういう自分はエッチなこと大好きなくせに」
「ち、違うよ」

執拗に首筋を舐めると、体が熱を持ち始める。
胸元に顔を埋めると、赤ん坊のような匂いがする。
こういうのは寛子にはなかったな。
というか、あまり覚えていないというのが本音だ。
頂に吸い付くと、相変わらず感度が良い。

「んぁっ」

無意識かもしれないけれど、腰に縋ってきた手が煩わしくて押さえつける。
明日香がマットを掴んだのを確認して、手を離すと目が合った。

「なに?」

短く問うと、少し怯えたようにビクリと肩を揺らした。
声をかけておいて聞く気はないのですぐ目を胸に戻した。
ペロリと軽く乳首を舐めると、もどかしいというように体を捩じらせた。

「……は……なんでも……ない……」
「そ」

少し強めに吸うと、マットを握っていたはずの手が今度は私の頭に伸びていた。
……その頭をくしゃってするヤツ好きじゃないんだけど。
鬱陶しいなと思いつつも諦めた。
どうせもう一度同じことをしても、白けるだけだ。
せめて歯を立てて抗議すると、もっと押さえつけられた。
窒息しそう。

「明日香」
「ぁ」

名前を呼んで隙を作って、頭の位置を下げていく。
念入りにお腹周りにキスをすると、やっぱり頭を掴んできた。
……痛い。
この柔らかい肉で窒息なんて冗談じゃない。
お返しとばかりに痛いくらいに噛んでみせる。
それでも感じてしまうのか、離さない。

「明日香、苦しい」
「あっ、あ、ごめんねっ」

正直に伝えると明日香は慌てて、でも嬉しそうに手を離した。
その様子に毒気を抜かれて、体を離す。
どう足掻いても苦行でやる気がなくなったのだ。
満足なんて、するはずもない。

「やめるの?」

無言で服を着る。
明日香にも服を着せると、机の前に座らせる。

「え」

向いに座って腕を組むと、さっきとは違う表情で青ざめ始めた。



「勉強、するの?」



そのために来てたんじゃないの?
さっさと始めろと顎で指図するとさめざめと泣きながら宿題を始めた。


















トイレのために席を立つと、廊下に見知った顔が立っていた。

「学校来れたんだ?」
「……おかげさまで」

木田深香は気丈にも睨んできた。

「あんた、先輩の何?」

あれ、私の口止めより先にそっちか。
結構なヤンデレってやつじゃない?
場所を変えよう。
放置して歩き出すと、後ろをついてくる。
退屈そうに携帯をいじってみせると、更に苛立たしそうに掴みよってきた。

「思えば、あのPK戦のときからおかしかったんだ!
 あんた!明美先輩に何したわけ!?」

先輩後輩って似るんだなぁ。
トマ子のほうがもう少し大人だけど、大体こんな感じだよね。
お前が何かしたんだろって決め付けて徹底的に相手を悪者にする。
まぁ、ナニかしたんだけど。

「あのさぁ」

今まで閉じていた口を開く。
ビクンと肩を揺らしたのは、後ろを歩く臆病者だ。
思うに、こうやって一息にまくし立てるのは自分が責められるのが怖いから。



「自分がやろうとしていたことへの、弁明は?」



息を呑む音が聞こえた。

「……なんのこと?」

しらばっくれる気か。
確かに、トマ子が言わなければ後は知っているのは私だけだ。
と、なるとやっぱり私の方が分が悪いな。

「まぁいいや。それで?」
「は?」
「私とトマ子は強いて言うなら友達の友達みたいなもんだけど」

何か問題でもある?と振り向く。
言葉遊びと言われたならそれまでだけど、事実だ。
弱みを握って利用しているだけで関係に違いは無い。

「そんなの嘘でしょ!?」
「さぁ、どうだろう」

木田深香の耳を引っ張る。




「左胸の裾に二つほくろが並んでる」




我ながら性格が悪い。
木田深香は冷や汗を流しながら私を見ている。
仮に私とトマ子が恋仲だったとしても、純愛とは思えないのだろう。

「誰の特徴だと思う?」
「なっ」
「見たことないし、わからないよね?」

軽音楽部に合宿はない、と言っていた。
学年が違うから着替えを盗み見ることすら出来ない。
こいつが、知ることのできない情報。

「それとも、昨日見ちゃった?」

カッと血の上る音が聞こえた気がした。




鈍い音がして頬に痛みが走る。




「あんたが!あんたが邪魔さえしなければ!」

邪魔さえしなければ?

「先輩を私のものにできたのに!!」
「無理やり犯して?」
「違う!わかってもらうだけ!
 私がどんなに先輩を好きか先輩はわかってないだけなんだから!!」




ズキリ




私が、どんなに好きか。




愛情は少し間違うと押し売りで、一人ぼっちだ。
傷つけるつもりがとんだ災難。
頭の片隅で動揺を片付ける。

「どうやってわからせる気だったって?」
「だから!体に直接教えるつもりで……!」

なるほど。
外道だな。
携帯がこの場にそぐわない軽快な音を鳴らした。

「……なに?」
「メール、かもねぇ」

ニイと口角を吊り上げる。
遅れて頬がジンと痛みだす。
口の中でじんわりと鉄の味がして、少し切れたことに気付いた。
怪我なんてしたのはいつぶりだろう。

「なんで余裕ぶってんの?」

むしろなんでそんなに焦ってるんだか。
詰め寄られて気分が悪くて顔を逸らす。
私が怖がったように見えたのか、更に詰めよってくる。

「トマ子みたいに、私の体も犯す?」
「はぁ!?触ろうとしただけなんだから!!
 あんたさえいなければ」



ピロリ



また警戒な音が鳴る。

「……さっきから、ふざけてんの?」
「ふざけてはいないよ」

笑ってはいるけど。

「携帯ってさ、すごいよね」
「は?」

首元を掴む手が若干緩む。
その隙を見逃したりはしない。




「これ、なーんだ」




携帯に映るのは音声ファイル。

「は」

息が止まる気配がする。
意味がわかってはいないようだけれど、本能的に自分にとって悪いものだと感じているようだ。
たくさんある音声ファイルの名前は録った時間になっている。
その中でも何個かはついさっきまでの時間を表している。

「『触ろうとしただけなんだから』、ね」
「あ……」

ビクリと肩が震える。

「随分な『証言』じゃない?」
「くっ……」

携帯に伸びてきた手を払い落とす。

「……あんた、まさか」

何も答えずただ薄く笑う。




さて、お楽しみの時間だ。






















……とはいえ、私にだって好みがある。
木田深香を人気の無い教室に連れ込んだけれど、正直こいつを抱く気にはなれない。
それに私の持ったカードは今回そう強いものではない。
こいつがトマ子を襲おうとしたことをバラしたところで未遂は所詮未遂。
学校中に噂がぼんやりと飛び交ってただ避けられるだけだ。
それはそれで嫌なものがあるけれど、一人でも信じてくれる友人がいれば大丈夫と思い込むのが人というもの。
弱ったことに明日香やトマ子と違って交友は広そうだ。

「何する気?」
「ですか、でしょ。後輩」

机を蹴り上げると、異様に怯えた。
そもそも、だ。



なぜこの少女があそこまでトマ子に惚れ込んだのか。



トマ子という女の子は本来、明るくてクールな軽音楽部の星のような女の子だ。
スタイリッシュで格好良い容姿。
硬派でもミーハーでもなくでもみんなを引っ張っていけるはっきりとした意思表示。
……押し込められた精神の弱さ、は誰も知らないか……。

「まさか、明美先輩にもこんな風に脅したわけ?」

さっきの言葉の続き。
残念ながらその問いには答えない。

「脅したんですか、でしょ」

軽くボディチェックをする。
携帯は没収。

「返せよ!」
「返してください、でしょ」

携帯の中身は見事に軽音楽部の写真ばかりだ。
同じバンドということもあるだろうけど、それにしてはさすがトマ子が多い。
あーあ、ピースとかしちゃってるし。
……なるほど、こうしてると可愛いじゃん。
わざとらしく携帯にキスしてみせる。

「てっめぇ!」
「女の子としてどうかと思うよ、その言葉遣い」

画像を全部自分の携帯に移すと、設定画面を呼び出した。
リセット機能を使うと携帯がカウントダウンを始めた。

「40%、50%……あーあ」

さて、メールとかも全部見たわけだけど。
お目当ての内容はなかったなぁ。
くだらない話ばかりだった。
昨日のテレビとかこないだの練習とか。
知りたい情報はこいつの頭にしかないということだ。

「木田深香1年生ー。ご質問に答えてもらえる?」
「はぁ?あんたになんか何ひとつ答えてやるもんですか!」

……困るんだよねぇ、そういう態度。
携帯を鳴らすと、ドアが開いた。



「何をしているの?城之内さん」



ドアを開けたのは一人の女教師だ。
その姿を見て助かったという表情を浮かべる木田。

「夏休みは補講のある生徒以外は部活棟と図書館以外は出入り禁止よ?」
「先生……!たすけ……」





「こんにちは、吉沢先生」





言葉を塞ぐように、にっこりと笑いかける。
吉沢は少しだけ頬を染めると、必死で平静を装った。

「城之内さん、先生の話聞いてた?」
「すいません、先生の声があまりに綺麗だったので聞き惚れていました」

私の笑顔が見慣れないのか、吉沢はもじもじと体を捩じらせた。
これも新手の焦らしプレイだと思っているようだ。

「吉沢先生、私この人に……」
「木田、深香さん、だったかしら」
「あ、はい」
「夏休みだからって遊びすぎちゃダメよ?」

違うんです、と言おうとした口が止まる。
私が口を挟んだからだ。

「吉沢、今は素に戻っていいよ」




「あぁ……ご主人様!ご主人様から呼び出していただけるなんて初めてですね!!」




木田はぽかんと口を開けている。
吉沢は態度を豹変させると、私の傍へ寄ってきて手に頬ずりを始めた。

「はぁ、この手が私を幸せにするのねぇ」
「なんで勝手に触ってんの」
「あぁん、だってぇ前に触ってもらってから1週間も経ってるんですよ?」

1週間、しか、だ。

「私は毎日だって構わないのに」

あんな調子で毎日とか、死ねる。

「今日呼んでやったでしょ」

軽く首筋を撫でてやると、それだけで嬉しいのか満面の笑みで私の体にしな垂れかかってきた。
腕を回して胸を揉むと、至近距離で笑ってみせる。

「吉沢、服脱いでよ」
「ぁあん」

甘い声を抑えることはしないが、チラリと木田のほうを見た。
やっぱりあまり関わりの無い生徒の前では理性が勝つか。
一つその枷を外してみようか。
吉沢から手を離すと、木田の方へ近寄る。
これから犯されると思ったのか怯えた顔をして後ずさる。

「自分がやろうとしたことに怯えてんじゃないよ」
「う、うるさい!」

とは、いえ。
手は出さない。
緩く縛って逃げないようにするだけだ。



自分のしようとしたことがどんなことか、見せてやる。



再び吉沢を引き寄せると、廊下からは見えないように服をはだけさせた。
鎖骨を舐め上げると、ゾワリと鳥肌を立てたのがわかった。

「今日はどうされたい?」
「んんっ、選んでいいんですか?」
「どうぞ」

吉沢はブラジャーをずらすと、私の顔の前にずいと体を差し出した。



「舐めて」



ください、な。
ご主人様への態度がなっていないんじゃないのって言いたいところだけど……。
まぁ今回の目的は違うからそれはそれ。
目の前に差し出された突起を口に含んで舌で転がす。

「あぁっ、やっぱりご主人様の方が気持ち良いっ」



…やっぱり?の、方が?



少し引っかかる言い方に、腹の代わりに歯を立ててみた。

「ひぁん」
「誰と比べたわけ?」
「んんっ、答えて、いいんです?」

無言で口を離すと、慌てて言葉を付け足した。

「あ、相田さんよ。わかってるでしょう?」

あー、あれで切れたわけじゃなかったんだ。

「だってご主人様が構ってくれなかったんだもの。
 もう一度相田さんが頑張ってくれたらどうにかなるかなって……」
「ならなかったんだ?」
「あぁん!」

お仕置きのように胸を強く揉む。

「お望みどおり舐めてあげる」

口を大きく開けて吸い込むように胸を含む。
すぐに涎でいっぱいになって腹の方まで垂れていく。
じゅるじゅると汚い音が教室に鳴り響く。

「う……」

木田深香が顔を逸らしたのを見て、より大きく音を立てた。
手を縛られたら、耳はふさげないよね。

「あはぁ、こんな舐め方初めてぇ!」

私も、こんな下品な舐め方をしたのは初めてですが。
なりふり構わず体を犯す。
愛撫というには激しすぎる交わりだ。

目の毒になるほどに。

性行為というのはときに吐き気すら呼ぶものもある。
トマ子を目の前で犯してやるというのも考えたけど、今回吉沢を呼んだのはこのためだ。
こいつが一番、汚くみえる。

「い、いい!もっと、もっと……!」

う……。
膝にぬるりとまとわりつく感触。
気付けば自分の口元だけでなく下からも水音がしていた。

「吉沢」
「は、はぁい」

体を木田に向き合わせる。
吉沢の秘部を見せ付けるように足を開かせると、音を立てて触る。

「吉沢、気持ち良い?」
「はいっ、はいぃっ」
「それは良かった」

上の部分を強くではなく引っかくように擦る。
音が近くなったからか、恐怖で一度こちらを見てしまったみたいだ。
木田は目がもう逸らせなくなったらしく食い入るようにこちらを見ていた。
吐くほどじゃない、か。

「あ、あぁ、ダメ、ご主人様っ、イッて、イッていいですか!?」
「はい、どうぞ」
「はっ、はぁっ、ありがとうございます!イイッ!イくう!」

吉沢は盛大に潮を噴くと体をぐったりと私に預けた。
潮を浴びた木田は呆然としている。

「う……」

少しした後、自分の体を視界にいれて吐き出した。
酸っぱい匂いと込み上げる気持ち悪さで自分も吐きそうだけどぐっとこらえる。

「気分はどう?」
「最っ低……!」





「でしょ?これがあんたのしようとしたことだよ」





してやったりという顔で笑うと、げっそりした木田の顔が蒼白に見えた。

「んんっ、こんなに最高なのに……」

げ、まだ起きてた。

「……」
「そんな顔しなくてももうしないわ」
「は、珍しい」

思わず素直にそう漏らすと吉沢は大人の顔で笑った。

「エッチはムードが大事なの。イマラチオしたわけでもないのにこんな風に吐かれちゃったら醒めるわ」

ナチュラルにエグいこと言ったな。
でもまぁ、確かに。
しかし吉沢に言われると突っ込みたくなるな……。
そう思ってやんわりと吉沢を見ると、何を勘違いしたのか調子乗った顔でウインクを寄こした。


「……また、あとで、ね?」


はいはい。
勘違い勘違い。
離れようとした吉沢を無理やり押さえつける。

「え?」
「私がいつ、もういいって言ったの?」
「あの、それは」

吉沢の首筋に噛み付くと、吉沢ではなく木田が悲鳴を漏らした。

「ひっ」
「どうしたの?木田さん」

見えやすいように吉沢の首を一舐めすると、笑いかける。

「も、もっ、やめっ」

泣きそうな声で懇願する木田を見下す。

「やめてほしい?」

無言でこくこくと頷く。
犯されている吉沢はきょとんとしているというのに……。

「じゃあ、質問に答えてくれる?」

吉沢を後ろから抱きしめたままいやらしく笑う。




「あんたにトマ子を犯せって言ったヤツは誰?」


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