近頃の若いモンは2 (ニャヒル)







3時間目が終了してそろそろお腹が鳴りだす一番苦しい休み時間。
ぐったりと机を戯れていると、隣の人間がやけに窓の外を見つめていた。

「あ、美月」

ふにゃっと顔を緩ませて隣に居たデカブツが声をあげる。

「どこに?」
「ほら、あそこ」

ブロンドの髪はやっぱ目立つなー。
身長も低いせいかすごくわかりやすい。

「次は安全体育の時間なんだね」

スポーツや体力測定やらを行う安全体育は割とどうでもいいのか、S組にしてはみんなやる気がなかった。
4時間目の体育ってダルい。
良かった、こっちは魔力論学で。
すっごい眠い授業だけど。

「あ、気付いた」

咲等がピコピコと手を振ると、美月も嬉しそうに小さく手を振り返した。

「嬉しそうだなー」
「そうだね、体育だもんうれしいよね」

?

「あんたはあの美月が次体育だから嬉しいと思ってるのか」
「違うの?」

違うにきまってるだろ…!

「この鈍ちんが!」
「なんで殴るの!?」

そりゃ殴るわ!

「いいからもっといろいろ構ってやれば?」
「邪魔にならないかなぁ」
「休憩時間で体育始まるまで暇じゃないの?」

どっからどう見たってぼーっとしてるだろ。
こいつの目は節穴なのか?

「構えって言っても…」

またピコピコと手を振ると、美月も小さく手を振り返す。
それをまた2回繰り返した。



「違うことしてやれよ…」
「だって他にどうしろっていうの」



うーん、そうだなぁ。

「じゃ、あたしの言うとおりにしてみなよ」
「うん、わかった」

咲等は従順に頷くと、美月に向き直った。




「手を叩いて」
「うん」

「Vサイン出して」
「うん」

「手で丸を作って」
「うん」

「目の上に手を当てろ」
「うん!」




それを受けた美月があわあわと全身を確認する。

「ぶっ…くく…」
「ニャヒル、美月で遊んじゃダメ!」

こらえきれずに噴きだすと、ようやく咲等が自分のしたことに気付いて顔を赤らめた。










back