「…結局、あのあと部屋に泊まっていくし!なんなんだあの先輩は!」
「ま、まぁまぁ、こんな素人な私たちに色々なこと教えてくれてるんだし…」
朝は話す時間もなくて、休憩時間はホームルームのせいで無いに近いものだった。
それゆえにニャヒルの不満もこのお昼休みで爆発したんだろう。
…でも、ニャヒルも部屋泊って帰ったよね?
「最終的には寮のご飯はたまにしょっぱいとかどうでもいい話になってくるし…なんなんだもー!」
「あはは…、で、でもおかげで履修届は無事に出し終わったし、ホームルームも終わったんだから…。
お昼ごはんを食べたらまたホームルームだけど…」
「ホームルーム多すぎ。それも授業内容の説明とか最初に配布された本とかに書いてあんじゃん」
朝から授業内容を全部紹介したり、先生の紹介をしたりで正直あまり覚えていない。
あまり賢いほうじゃないから、みんなは覚えてるのかな?
魔法科学とか、安全体育とか、ちょっと変わった名前が多かったことぐらいかな。
もしかしたらいまだブーブー言っているニャヒルも覚えてないかな。
…むしろ、聞いてない?
「きっと先生たちにもこだわりがあるんだよ。さて、お昼ごはんに…」
しよう、と言いかけたところでどよっとざわめきが起きた。
ひそひそと困惑の声が聞こえる。
「ん、なに?」
「騒がしいね。なんだろう」
教室の入り口が少しダムのように細められている。
「どうしたんですか?こんなところで」
「少し、人探しを…」
「あなたみたいな人がこんな低いレベルの教室に…」
誰か来たのかな?
学校知らずの私たちはひとまずお昼ご飯を食べたいんだけど…。
とりあえず鞄から財布だけを取り出してポケットにねじ込んだ。
もう片方の出口を見ると、そこも人でごった返していた。
「ちょ、なになに。ちょっと、通れないじゃんか!昼飯ー!」
「ニャ、ニャヒル…」
激昂するニャヒルの肩を宥めて人垣を見る。
少し高めの身長のおかげで見通しはいいや。
「あれ?」
人垣の真ん中に見覚えのある赤いリボンと黒と茶の中に映える金色の髪。
顔を見ようと更に背伸びすると目が合った。
ちょっと困っていた笑顔が一瞬で輝いて少し見とれた。
…頬、赤くないかな?
「こんにちは」
人垣を掻き分けて私の前に出てきてくれた彼女。
うん、やっぱり可愛い。
「こんにちは。ニャヒル、昨日話してた子だよ」
「この子が…… 玉の輿、か」
その言い方は失礼だよ、ニャヒル。
幸い目の前の女の子には聞かれなかったみたい。
彼女はニャヒルに一礼すると私の方に向き直ってもう一度頭を下げた。
「昨日は名前も聞かずに勝手なことをしてすいませんでした」
「う、ううん!聞き忘れてた私が悪いから!」
だからお願いなので顔を上げてください。
周りからの視線が痛いです。
さすが、というべきか、周りからひそひそと関係を窺う声が聞こえてくる。
…怖い…。
「よろしければこれからお昼ごはんをご一緒させてもらってもいいでしょうか」
「あぁ、はい。もちろんいいけど…」
条件反射で答えてしまってから隣の存在に目をやった。
ニャヒルは目が合うと、特にどうということもない感じでひらりと手を振った。
「あぁ、あたしのことは気にしなくていいよ。
ちょっとあの可笑しな先輩に聞きたいことがあったから、ちょうどいいや」
可笑しな先輩というのはたぶん真由のことだろう。
結構知りたがりさんみたいでなんだかんだで昨日もニャヒルから質問してたことが多かったことを思い出した。
本人いわく、聞いとかないと不安だからだそうだけど。
「そういえば昨日真由のクラス教えてもらってたね。じゃあまた後で」
「おぅ。ごゆっくり」
行きましょうと女の子に手をひかれてそのまま歩きだす。
後ろをちらと振り返るとニャヒルがまたひらりと手を振った。
掴まれていない方の手を振り返した時、周りの目がこっちを向いていて慌てて前を向いた。
…私、何か悪いことしてる?
--nyahiru--
咲等と玉の輿が消えてからゆっくりと手を下した。
「…うーん、あんな小さな子が…」
「そう、あれが例の大魔法使いの娘。美月・アレクサンド」
さっきまで咲等が居た場所から昨日散々聞いた声が聞こえて慌てて飛びずさる。
「うぅわぁあ!?なんだ、あんた!いつからいた!」
右に勢いよく振り向くと、やっぱり真由が居た。
こいつ、暇だな。
「いやなに、さっきの子が私に咲等の教室を教えてくれっていうもんだからね。ご協力を少々…。それで、私に聞きたいことって何?」
「あー、それなんだけど…」
それは好都合、とさっそく質問攻めを始めようとして、ふと周りからの声が耳に入った。
「まぁ、今度は『血染めの獅子』がうちの教室に…」
「怖いわ…」
「さっきのあの子、あの美月・アレクサンドと知り合いみたいだったし…」
「あいつも強いのか?」
「…少し、場所を変えていい?あんたも目立つんなら目立つで変装ぐらいしてくりゃいいのに」
目立つのは好きじゃない。
話から察するに目の前にいるこいつはどうやら居るだけで目立つ存在らしい。
「んな無茶な。後輩なんだからそっちが気をつかえよー」
「だからあんたの教室に行こうと思ったんだろー!」
「あぁそれはそれで困るんだよね」
「あん?」
真由は困ったように笑うとすっと上を見上げた。
それからゆっくり顔を戻すと首をちょこっと傾けて苦笑いした。
「教室には厄介なのがいるからあまり居たくないんだ。それに今はオリエンテーション期間だから1年生以外は休みだよ。って言っても部活の勧誘で結構人がいるんだけどね」
「なんだよ。そういうことは早く言ってくれないと」
「しょうがないじゃない。言い忘れてたんだから」
噛みつくように言葉を投げると触るだけ触ってついっと流される。
こいつの会話はある意味、苦手だな。
咲等ぐらいわかりやすけりゃもう少し楽なんだけど。
「じゃあなんであんた学校に居るのさ」
「いやー、基礎体力の先生に気に入られてるしちょっとお手伝い?みたいな?」
「わかった、暇なんだ」
「なんだとぅ!?」
軽口の言い合いは嫌いじゃないけど、どうにも軽口で終われない。
冷静な自分がボロボロはがれていくみたいだ。
「あの子、あの先輩とあんなに親しげに…」
「あの子も怖い人なのかしら」
…やっぱり、目立つのは困る。
「とりあえず場所かえよう…」
「了解。食堂は目立つから売店で適当なもの買って使われてない教室でも探すか」
「らじゃー」
気のない返事を返しつつ、真由の背中をガン見する。
絞りとれる知識は絞りとっておかないと。
幸い、結構先生の知らない部分まで知ってそうだ、この<先輩>は。
--sakura--
「あの、どこに行くのか、聞いてもいいかな?」
手を牽かれるままに歩く。
まだ校舎は案内されて間もない。
正直、ここはどこだろう?
「屋上です。あそこは風が強いので実はお昼ごはん時は人が少ないんですよ。少し物陰の裏にまわれば快適なんです」
「あの、私、お昼ごはん無いから途中でどっかで買ってきてもいいかな?」
ポケットにねじ込んだ財布が少し気になる。
お昼抜きでも大丈夫だけどホームルームがまた長くなるならできれば何か食べておきたい。
女の子はくるりと振り返ると素敵な笑顔で私を見上げた。
「あぁ、良かった。寮生活の人はほとんど学校の食堂かコンビニのおにぎりや購買のパンですませる人が多いので、厚かましいとは思ったんですけど…今日はお弁当を作ってきたんです。良ければご一緒にどうでしょうか」
「え、で、でもそれは君の分でしょ?それはさすがに悪いよ」
眩しいくらいに綺麗な笑顔だったからついつい見とれて少し言葉がどもっちゃった。
「えぇ、ですから2人分」
「はい?」
「あなたの分も作ったんです。口に合うかどうかはわからないのですが…」
最後の方は少し自信なさげに。
ずるいな。そんな態度を取られたら、遠慮なんかできなくなる。
…もとより、こんな女の子らしい子の作ったお弁当なら美味しいだろうなぁ。
真面目そうだし、きっとポイズンクッキングにはならないだろう。
「あ、ありがとう!でもいいのかな…」
「はい、あなたのためのものですから。それに、夢だったんです。手作りのお弁当をパートナーの方と二人で食べるということが」
ロマンチストというかなんというか…。
パートナーってなんだかコイビトみたい。
…さすがに私もちょっとそれはロマンチストすぎるかな…。
「…えっと、あの」
「着きましたよ」
「え?あ、うわぁ」
正面から風を受けて慌てて帽子を押さえた。
「やっぱり風が強いですね…出入り口の裏のところで食べましょうか」
「あ、はい」
誘われるままについていって、広げられたシートの上に座る。
彼女は真正面に座ると、鞄から二つのお弁当をとりだした。
量としては普通の二段弁当。とてもまともだ。
「嫌いなものがあったら遠慮せず言ってくださいね」
「ありがとう、いただきます」
渡されたお箸を丁寧に受け取ってちょっと遠足ぐらいのわくわく気分でお弁当箱を開ける。
中はちょっと可愛いめの色どりのいい感じ。
料理、上手いんだなぁ。
「…昨日はすみませんでした。急な話で戸惑ったでしょう?」
お弁当に見とれていると、ちょっと元気の無い声で話を振られた。
「う…、正直どうすればいいのかいまだにあまりわかってないんだけど…」
パートナーうんぬんは理解したけど、それが生活にどう影響するのか、とか。
いまだに不透明な部分が多い。
「うちの学園のシステムはご理解いただけましたか?」
「うん。だいたい。昨日のミッションで身をもって知りました」
「あぁ、あれは災難でしたね。お体は辛くありませんか?まさか体育委員長がこちらを窺っていたとは思わなかったので私も対応できませんでした…」
昨日のことを思い出すと私も少し元気が無くなる。
すごく痛かったしすごく悔しい。
それでも膝を擦りむいた以外はなんら無傷だった。
「平気だよ。魔法ってほんとに痛みだけなんだね。君は大丈夫?」
風紀委員長さんの魔法が直撃していたかのように見えた彼女。
私なんかより身体の小さなこの子のほうが心配だ。
「はい、私はもう慣れましたから」
「慣れって…内部の人、だよね?」
私もこれから慣れるのかな…。ちょっとヤだな。
しょんぼりした気分を少し元気づけるために海老フライをおひとつ、ぱくり。
あ、美味しい。
「はい。そういえば自己紹介をしていませんでしたね。美月・アレクサンドです。あなたの名前を聞いてもいいでしょうか?」
「あ、あぁ!ごめんね!忘れてた!さ、咲等です!奥井咲等」
居住まいを直されて挨拶をされたからこちらも慌てて正座をし直した。
…っていうか一番最初に聞くことじゃないのかな、これ。
自分の不甲斐なさにまたしょんぼりしていると、ちょっと呆気にとられたかのような声がふわりと聞こえた。
「…ほんとに桜の精霊さんだったんですね」
「は、はい?」
桜の、精霊さん?
聞き返すと、なんでもありませんとにっこり返されてしまった。
「それより、かなり強引に仮契約をしてしまいましたが、私で良かったんでしょうか?ご友人と仲が良さそうでしたし、それに『血染めの獅子』に見初められてるなら他に相手もたくさんいるのではと…」
「い、いないよ!さっきのは昨日会ったばかりの親切な人でほんと有難くって、…って、血染め…ってなんですか?」
たくさんいるなんてとんでもないって言おうとしたら少し不穏なキーワードがあって言葉を止めた。
血、染まるの?
そんな物騒な場所なのここ…。
「あなたの担当をしている野中真由先輩の通り名です。とても強い人なんですよ」
「…本当にすごい先輩なんだ。本人が言うとどうも実感が…」
-これでもS組なんだぞ-
そういえばそんなことも言っていたなぁ。
そうぼやくと、アレクサンドさんはクスクスと鈴が転がるような声で笑った。
「ふふ…実はあまり名誉のある通り名ではないんですけどね」
「え?そうなの?」
でも獅子って強そうなのに。
「えぇ、でもごめんなさい。言うと本人が怒るので事情は話せません」
「ううん。それより私こそ良かったのかな。君もすごい人だって聞いたんだけど…」
話を自分たちのほうへ戻す。
さっきの話題はまた真由に直接聞こう。
昨日なんでも聞けーって言ってたし。
私の疑問にアレクサンドさんはちょっぴり寂しそうに笑った。
あんまり聞いちゃいけなかったかな?
「私のはただの親の七光です。そのせいか、あまり気を許せる相手も少なくて…。先輩方はとても良くしてくださるんですけどね」
親がすごいと大変だなぁ。
「そっかぁ…、でもなんで私?中学校が別だったんだから余計気を許せないような…」
そもそも初めて会った時だって変な体勢だったし…。
眉間にぎゅーって皺が寄ってるなぁと思いながらまた少しお弁当を食べる。
あまり聞いちゃいけない話題だったかな。
それはまたいつか聞きなおそう。
「話の腰を折って悪いんだけどおいしいね、この卵焼き。ちょうどいい甘さで好きだなぁ」
眉間の皺がすっかり無くなった。
現金な話だけどおいしいなぁ。
だし巻き卵って私好きなんだけどみんな卵焼きって言ったら甘いのだとか自然の味だとかって言うんだよね。
なんだろ、地方性なのかなぁこういうのって。
でも世間一般的には卵はだし巻きが一番だろってテレビで言ってたけど…。
「私も、卵焼きはだし巻きが好きなんです」
「ほんとに全部自分で作ったの?」
別に料理って苦手じゃないけど卵って上手く巻くのって難しいからついつい適当にしちゃうんだよね。
中にほうれん草とか入れてこうぐちゃーっと…。
「購買も食堂もいつも人が込み合っているのでこうやって自分で作るようにしてるんです」
「へー、すごいねぇ。うん、おいしいよ。おいしい」
卵焼きに集中しつつある私の意識。
自分の好みに合う卵焼きってあまり出会えないし…。
細かいことだけど、こうやって少しずつアレクサンドさんのこと好きになっていけたらいいな。
「…私、あなたと契約できてうれしいです」
「んぐ?」
なんだかまた真面目な話に戻りそうで慌てて卵焼きを飲み込む。
ちょっぴり残念。
「知っているかもしれませんが、私はS組です」
「…そっか、強いんだね」
Sは一番強いクラス。
私は真ん中Dクラス。
その差は4つ、かな。
「パートナーができると、クラスに関係なく強い方に見合ったミッションが出るのはご存じですか?」
「え、そうなの?」
聞いてないよ?
聞いたかもしれないけど覚えてない。
こういうときもうちょっとちゃんとした脳みそが欲しかったな、なんて思ってしまう。
「もし、あなたが嫌なら私は一応身をひく覚悟はあります」
「うぅ、難しいミッション…」
身をひくってなんだか凄い言い方だな…。
私は平和主義というわけではないけど痛いのは嫌だ。
でも、さっき私と契約して嬉しいと言ってくれた彼女。
心の天秤はどちらに傾いているだろう。
「でも、あなたが、もし…そう、もし私と運命を共にしてくれるなら、私があなたを守ります。
…守って見せます!」
「あ、ありがとう…。私でいいなら、そりゃ引き受けるよ」
半ばその勢いに押されるようになってしまった…。
でもこんな優しいお弁当が作れるなら、きっと優しい人だし。
その人が私がいいと言ってくれているなら私は選択なんてする必要なんてないんだ。
きっとそれも運命だよね。
「…本当に、いいんですか?」
「うん。足手まといになると思うけど、ごめんね?」
まだアレクサンドさんのことはあまり知らないけど、
誰かと一緒にご飯を食べるのが夢だったという人が悪い人なはずがない。
問題は私が少し頭が弱いことと、力が弱いことと…、あと世間知らずなことと……?
あれ、けっこう問題多い?
「足手まといとかじゃなくて、怪我だってするかもしれませんよ?危ないミッションも増えます。それでも…」
不安げに他の問題を羅列するアレクサンドさん。
そういえば、珍しく笑ってないや、彼女。
「がんばって、早く強くなるね。足手まといにならないように」
お弁当とお箸を少し床において不安そうに胸の前で組まれていた手をとる。
少し冷たい。ちっちゃい子は体温が高いっていうのに…。
固く組まれている指をそっと解いて自分のに絡ませると、できるかぎりの笑顔を見せた。
…あれ、ひきつってないかな、私の笑顔。
「…ありがとうございます!良かった…」
「大袈裟だなぁ。あ、ほら、アレクサンドさんも食べよう。お昼休みが終わっちゃう」
恥ずかしいことしてるなと思い返して慌てて手を離す。
ちょっぴり感化されてるかな。
彼女の前だとどうしても時間がゆっくり流れてしまう。
それはそれでとても心地いいのだけれど。
「美月と呼んでください。苗字は長いでしょう?」
「わかった、えっと、美月。なんか、恥ずかしいね」
さっきから真っ赤だ。
今の私はとてもみっともないに違いない。
…契約解消とか、ないよね?
「大丈夫です。慣れますよ、マスター」
「…うーん」
マスター。
ちょっとお弁当の場には不似合いだよね。
それもどっちかっていうとマスターっぽいのそっちだよね。
「どうかしましたか?」
「できれば、私も名前で呼んでもらえないかな?」
「では、咲等さんと呼ぶことにします」
「さん付け…」
より聞きなれない呼び名でまるで肩すかしのような感覚を拾った。
私の反応に、美月は慌てて言葉を付け足した。
お、怒ってるわけじゃないからそんなに慌てなくていいよ?
「呼び捨て、というのは、少し…。ごめんなさい、誰が相手であろうと敬語を止めるなと教えられているので…」
「え?じゃ、じゃあ私も敬語で話したほうが…!」
「さ、咲等さんは普通に話してください。私はそういう普通の喋り方のほうが好きです」
つられたように慌てる私にまた慌てる美月。
あれ、結構美月って私に似てる?
意外と空気につられるタイプ?
「そうなの?じゃあ普通で話すね」
「そ、そうしてください。改められてもどうしたらいいのか…。ごめんなさい、人付合いはあまり得意ではなくて…」
美月は顔を真っ赤にして半分乗り出しかけてた身体を元に戻した。
「謝らないで。大丈夫だよ。私もそんなに得意なほうではないから」
フォローのをするつもりが自分を卑下するような形になっちゃった。
…ちょっと暗くみえたかな?
少し心配になって顔を窺うとにっこりと微笑まれた。
「そうですか?入学2日目でもうご友人もいらっしゃるし先輩とも仲がいいようでしたしとても苦手とは思えませんよ」
「そう、見えると、嬉しいんだけど…」
仲がいいというかとても説明的な会話しかしてないんだけど…。
「えぇ、特に真由さんは咲等さんのことをとても気に入ってるみたいですよ」
「そうなの?」
「はい、あの人のあんなに楽しそうな顔は久しぶりに見ました」
楽しそう?