Lily memo %



ヤツはやっぱりおかしい1 (タケ)


おかしい。
辻井はやっぱりおかしい。

「なに?」

もしかしたら辻井は頭だけじゃなく味覚もおかしいのかもしれない。

「食事中に凝視しないでくれる?」



やつはなぜカレーに生卵をかけるんだ?



「辻井、カレーに謝れ」
「なんでよ」

ご飯にカレーがかかってるのにどうしてその上からさらに違うものをかけるんだ。
米+液体+液体=おかしいよこんなの!
カレーにはカレーの味があって卵をつけるなら焼くか茹でるかしようよ。

「味なんて人の好みでしょ?」
「じゃあ辻井はのりたまご飯の上に味海苔と韓国海苔を乗っけてもおかしくないというのか!」
「それはおかしいわよ」

そらみろー!
おかしいじゃないかー!

「そんなよくわからない例えと一緒にしないでくれる?」
「一緒じゃん!」

米+液体+液体=米+海苔+海苔+海苔。
一緒じゃん!

「生卵を入れることで違う栄養が入るでしょ」
「たんぱく質なら肉がいるじゃん!」
「味もまろやかになるし」
「辛いのがカレーじゃん!」
「私は甘口派なの」

きぃっ、許せない!
カレーといえば辛口に決まってるのに!
まぁ松ちゃんの中辛が一番許せないがな!
中途半端いくない!

「中辛だって売上いいんだから一般的に普通なのよ。認めなさい」
「認めない!お父さんは認めないぞ!」
「あなたはいつ誰のお父さんになったのよ!」
「カレー!」
「もはや人でもないわね」

うるさい!
とにかく甘口カレーに生卵なんて認めません!
そんなに甘いのがいいならハヤシを食ってなさいよ!

「別に私が何を食べようとあなたには関係ないでしょ」
「いや!ある!」
「へぇ、どんな関係が?」

強いて言うなら!



「辻井の料理が私好みじゃないと私が困る!」



例えばお金が尽きたときに辻井の家にタカリに行こうとしたら晩ご飯は甘口カレーでした、じゃ困る。
辻井はしばらく固まった後、なぜか若干頬を赤くして溜息を吐いた。

「……それって私の作ったみそ汁が飲みたい的な意味で?」
「みそ汁はよくわからんが辻井の作ったものがマズいと嫌だ」

うむ、助手の飯がマズいのは死活問題である。

「この先、私の作った料理をずっと食べるつもりがあるなら辛口になる努力をしてもいいけど」
「……ずっと?」
「ずっと」

……辻井よ、生涯を尽くして私の研究を手伝いたいなんて……。
あらやだおじさん涙出てきたYO。
将来立派な論文を発表したらきちっと辻井の名は残しておいてやろう……!

「辻井、君の名前はちゃんと刻んでおくからな!」
「何に?」

論文に!








secret stage


……カレーの話をしていたらなぜか将来を予約されてしまった。
タケはどうやらずっと私の作ったものを食べるつもりらしい。
これってつまり……私が嫁?
そもそもあれってプロポーズでいいの?

「辻井!プリンに醤油をかけるな!」

色々悩む以前に改善するべき点がいっぱいあるらしい。

「美味しいけど?」
「プリンをおかず感覚で食べるな!」

タケはやっぱりおかしい。

back to novelmenu
back to top
designed by inertia